【株式会社ジャパンコンサルタント アンド メディカルサービス代表取締役 森清光】
オリンピック開催を目前に控えた東京都では、新型コロナウイルス感染拡大に歯止めがかからず、4度目の緊急事態宣言が発令されました。感染拡大傾向にあるエリアの競技会場は無観客で開催することも発表されて、新型コロナウイルスへの対応と併せてオリンピックへの対応が今後どのように評価されるのか、動向が気になります。
今月は協会けんぽの2020年度決算発表があり、新型コロナウイルスの影響により、協会けんぽ設立以来、初めての支出減少となり、6,200億円の過去最大の黒字となったニュースがありました。それだけ全国的に受診控えなどが発生したことを示すもので、国から見れば減少分の何割かはいわゆる「無駄な医療」だったとして、今後、絞ることができる目標数値とされる可能性もあるとみており、医療経営はより苦境に立たされるのではないかと思います。
さて、22年度より施行される「外来医療の機能の明確化・連携」に向けた、ワーキンググループが始まりました。
第1回外来機能報告等に関するワーキンググループ 資料2より
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19704.html
具体的な改革の方向性は上記の図を見ていただければ分かるように、都道府県が外来状況を把握し、外来数が多い中核病院などは新規患者の抑制と逆紹介を増やすように指導され、地域で外来患者の平坦化が進められるでしょう。多くの中小病院にとって、患者獲得のチャンスとなるようにも見えますが、中病院ラインの200床以上は、下記のように定額負担制度の徴収義務対象となり、初診患者の獲得難度、囲い込みの難度が、より高くなる可能性があります。
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