田村憲久厚生労働相は、策定を進める「医薬品産業ビジョン2021」で、「コロナ禍で直面した課題を繰り返さないための対策が必要」とし、「医薬品・ワクチンのイノベーションを追求することで、国民の健康長寿・経済成長の好循環」を目指す。具体的には、「薬価制度による評価の充実化などイノベーションの促進」を挙げ、骨太方針への反映も図る。製薬団体が求める「特許期間中の新薬の薬価維持」が、どの程度取り入れられるかが焦点となっていく。【ライター 設楽幸雄】
田村厚労相は、17日の医薬品産業界との官民対話の場で、国民皆保険の維持と医薬品のイノベーション評価との両立を図ることについて、「難しい課題だが進めていく」との考えを示した。
また、厚労省は「医薬品産業ビジョン2021」策定に向けた考え方を説明し、「医薬品産業は成長産業」とするとともに、「国民の保健医療水準の向上や経済成長・国家の税収に貢献する重要産業」と位置付ける方針を示した。
産業ビジョンとしては、医薬品メーカー、卸が直面する環境変化と課題を取り上げ、対応の方向性と関連施策の方向性について、医薬品の基礎研究から、研究開発、薬事承認、保険収載、市場流通、安定供給、後発医薬品化、海外展開・OTC化といったライフサイクルに沿って、トータルに示す。
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