【株式会社ジャパンコンサルタント アンド メディカルサービス代表取締役 森清光】
4月末より始まった東京・大阪を中心とした3度目の緊急事態宣言は、大方の予想通り短期では感染拡大に歯止めがかからず延長されることとなりました。報道によると、大阪では新型コロナ重症者病棟がパンク状態であり、一般の救急外来を閉鎖して対応する病院や、入院先が決まらず、長時間のたらい回し状態にされる救急車など、切迫した医療事情が表れています。
また、神戸市の介護施設では、職員・入所者133名が感染する大規模クラスターが発生し、25人が亡くなる事態となりました。このうち23名の方が入院できなかったことも報道され、新型コロナ禍の介護施設運営の難しさが改めて浮き彫りとなった問題でした。
各地方においては、都道府県が主体となって実施可能であった「まん延防止等重点措置」の申請を国が認めない事態が発生するなど、政府のコロナ対策への消極さが国民の不信感だけではなく、医療機関においても辟易とされている状況です。
そんな中で、4月26日に開催された経済財政諮問会議では、「社会保障改革-新型感染症を踏まえた当面の重点課題」において今後の医療政策における方向性ともなり得る資料が提示されました。
内閣府ホームページより(https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2021/0426/shiryo_03-2.pdf)
課題として、「救急医療体制」「高度医療の人材不足」「病院の分散」「医療機関の役割と連携」「有資格者不足」が挙げられております。
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