【小濱介護経営事務所 代表 小濱道博】
1.厚労省のクラスターの影響でQ&A等が遅れている
厚生労働省老健局で発生したクラスターの影響もあるのだろうか。4月に入っても算定要件に不明な部分が多く存在し、日常業務に支障を来していることも多い。4月1日から稼働のLIFEデータベースが、当初からシステム障害で利用できない状態が続いた。介護記録ソフトの開発も遅れて、納品が初夏となるケースも後を絶たない。
居宅介護支援事業所向けの給付管理ソフトも同様で、コロナ特例の0.1%措置などの対応が遅れ気味だ。いずれにしても介護保険法施行20年目の節目で、新たな20年への船出となる介護報酬改定は前途多難を思わせる船出となっている。2021年度介護報酬改定は、介護保険施行20年の一区切りを付けるかのように、過去と比較しても最大規模となった。多くの介護現場での混乱は避けられない。
2.居宅介護支援の運営基準減算には注意すべき
21年度改定で特に注意が必要な項目は、居宅介護支援事業所に義務化された前6月間に作成されたケアプランに占める、訪問介護、通所介護、地域密着型通所介護、福祉用具貸与を位置付けたサービスごとの割合と、サービスごとに位置付けた担当事業所の割合を、「利用者に書面の交付、口頭説明、署名を得ること」だ。これを実施していないと運営基準減算の対象となる。居宅介護支援の運営基準減算は、初月が50%、それ以降は100%減算である。
また、この減算を受けると、特定事業所加算の算定要件を満たさないため、実地指導で指摘されると返還指導となる。基本的に、重要事項説明書に別紙で添付する形での対応になるが、毎年、前期(3月1日から8月末日)・後期(9月1日から2月末日)ごとに集計して、新規契約の時点での文書交付、口頭説明、署名が求められる。ただし、この4月については、集計と計算が間に合わない場合は、5月以降のモニタリング訪問時でも可能とされている。また、既存の契約者については、4月以降のケアプランを見直す時に説明するのが望ましいとされた。ケアプランは基本的に3月ごとの見直しのため、6月をめどに全ての契約者に実施する必要がある。
3.ケアプランの囲い込み対策が顕著に
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