【株式会社ジャパンコンサルタント アンド メディカルサービス代表取締役 森清光】
新型コロナウイルスによる2度目の緊急事態宣言が解除されてから1カ月もせずに、大阪・東京などで変異株の感染が拡大し、まん延防止等重点措置が発令されるなど、不安定な情勢が続いています。医療現場においては引き続き、通常業務に加えて新型コロナウイルスへの対応を継続しなければならず、職員全体での引き締めが必要となります。
さて、多くの医療機関が新入社員を迎える時期となりました。医療従事者の多くは学校卒業後、他業界を経験せず医療一筋となり、最初に就職する医療機関で技術・サービスの基本を学ぶこととなります。転職市場では、現職の病院の規模・実務経験から次の転職先へのアドバイスをされますが、よくある話として、病棟勤務の長い看護師がクリニックの外来へ転職した際に、言葉遣いや患者への対応が悪いと批判されやすく、一部の医療機関は教育レベルが低く転職市場で人気がないなどの情報も出回ります。実際に、評判の悪い病院は何かしら問題が起きているケースが多く見受けられます。一方、評判の良い大学病院などでも、実際に患者として訪れると患者サービスはまだまだ改善点が多くあるように見受けられます。
往々にして病院は、規模が大きくなるにつれて患者の待ち時間等に対して意識が低く、例えばある大学病院では、初診であれば5時間以上待たされて、5分・10分診療が常態化しています。機械による呼び出し番号表示システムを導入しても医師が正しく利用しておらず、機械に表示される呼び出し番号をまとめて更新するなど本末転倒な使い方をしています。順番待ちの管理は各診療室が行っているため、診療科の受付も把握できていない状況です。これらはオペレーションの見直しで改善できるように感じますし、医師・コメディカル側・事務側を総括している責任者が不在のようにも感じられます。
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