小濱介護経営事務所の小濱道博代表は3月15日、オンラインセミナー(CBホールディングス主催)で2021年度の介護報酬改定について、算定要件や上位区分など既存の加算が大きく変わったと述べた。そのため、「同じサービス事業所でも加算への対応により、収益の二極化が進む」との見通しを示した。【井上千子】
具体例として、通所介護を挙げた。今改定では通常規模型通所介護費の基本報酬は、7時間以上8時間未満、要介護1の場合は7単位プラスとなった。
一方、入浴介助加算は上位区分ができたため、現行の入浴介助加算(I)は10単位マイナスに。従来通りの加算を算定する事業所の場合、実質3単位のマイナスとなるため、上位区分への対応が収益に影響を与えるとの見方を示した。
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また、今改定では全サービスを対象とした業務継続計画(BCP)の義務化のほか、加算要件の多くにLIFEの活用が組み込まれた点を挙げ、「(これら変化に)対応できる事業所とできない事業所、制度面でも二極化が進む」と述べた。
■全事業所に業務継続計画(BCP)策定が義務化
今改定では3年間の経過措置期間を設けた上で、全サービス事業所へ感染症や災害発生時もサービスが継続して提供できるように「業務継続計画(BCP)」の策定を義務付けている。
小濱代表は「BCPは地域や事業所のサービス併設状況などを反映させるため、自社用にオーダーメイドで策定する必要がある」と説いた。
厚生労働省は20年にBCPガイドラインとして、新型コロナウイルス感染症発生時と自然災害発生時の2様式を公表している。小濱代表は「BCP策定は事業運営者にとってリスクマネジメントの一部」と説き、受講者に早めの対応を呼び掛けた。
■加算要件にLIFE活用が増加、介護ソフトへの対応は
小濱代表は今回の改定のポイントとして、「新設された加算のほとんどはLIFEの活用が要件として含まれている」と指摘。また、VISIT、CHASEへのデータ提供、フィードバックの活用により、今後は他の事業所との差別化を数値的に示せるようになるほか、職員のケアの質の向上や口コミ、稼働率の上昇が見込めると説いた。
このような背景から、小濱代表によると、現在LIFE対応の介護ソフトの注文が急増しているという。
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