【北海道介護福祉道場 あかい花代表 菊地雅洋】
2021年度の介護報酬改定について、3月中旬までに厚生労働省令、および告示の改正通知や解釈通知が出そろい、23日までにQ&Aの第2弾も発出された。厚労省のウェブサイト「令和3年度介護報酬改定について」に、それらの通知文や加算の算定要件として求められる様式などが掲載されている。関係者には、それらを確認して加算の届出や算定に向けた準備などを滞りなく進めていただきたい。
21年度改定では、さまざまな分野にわたり加算要件などとして「LIFE」への情報の提出が求められる。その提出情報や頻度などについては、厚労省の3月16日付の通知「科学的介護情報システム(LIFE)関連加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について」を確認し、その把握に努める必要がある。情報提出の猶予期間(経過措置)が設定されている加算もあるので、期限に間違いのないよう、確実に読み込んで作業を行っていただきたい。
なお、LIFEには介護事業者が利用している介護業務ソフトから作成された CSVファイルを取り込む機能があり、利用者に関する情報をそのソフトなどから書き出すことができる。そのため、それらの情報を手入力する必要がなく、情報提出作業の効率化を図ることが可能だ。しかし、介護業務ソフトのベンダーによっては、その機能への対応が数カ月遅れる所もある。
だからといって、期限に猶予のない情報を提出することができなくなるわけではない。情報提出の基本的な方法は、LIFEの専用サイトでデータを直接入力することなのだから、LIFEとソフトの連携が遅れていたとしても、それに関係なく介護事業者は求められる情報を手作業で提出し、加算の算定に対応すべきだ。
介護報酬の請求に関連しては、新型コロナウイルス感染症に対応するための特例的な評価として、全てのサービスについて21年4月から9月末までの半年間、基本報酬に0.1%を上乗せする必要があり、この上乗せ分の請求を行わない場合、国保連合会の審査において返戻となる。
この計算における端数処理は四捨五入が原則だが、1単位未満となる場合は切り上げることとされたため、どんなに少額の算定費用でも、切り捨てによって上乗せ費用が発生しないことはないので、注意していただきたい。
また、上乗せ費用は基本部分だけにとどまらず、減算・加算の費用にも及んでおり、各サービスによって違いがある。上乗せ分の算定に当たって合計するサービスコードは、「『令和3年9月30日までの上乗せ分』の計算方法について」で確認していただきたい。
■利用者への配慮、「感覚の麻痺」に要注意
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