【株式会社メディチュア 代表取締役 渡辺優】
■DPC算定患者で着実に進む高齢化
急性期病棟は、回復期や慢性期の病棟と比べ、相対的に高齢者の割合が少ない。しかし、急速な高齢化の進展に伴い、急性期病棟においても患者の高齢化が進んでいる。DPC包括点数の算定回数を見ると、80歳代、90歳以上が年々増えていることが分かる=グラフ1=。
グラフ1 診断群分類包括評価の算定回数推移(年齢内訳)
社会医療診療行為別統計(2015-19年度報告、各年度の6月審査分)を基に作成
グラフ1の形を変え、年齢区分ごとに棒グラフにした=グラフ2=。70歳代前半以上は軒並み増加になっている。また、80歳代後半や90歳以上の伸びが目立つ。全体に占める割合の推移で見ても、80歳以上の占める割合と、90歳以上の占める割合が年々増加している=グラフ3=。
グラフ2 診断群分類包括評価の年齢別算定回数推移
社会医療診療行為別統計(15-19年度報告、各年度の6月審査分)を基に作成
グラフ3 診断群分類包括評価の算定回数に占める80歳以上、90歳以上比率の推移
社会医療診療行為別統計(15-19年度報告、各年度の6月審査分)を基に作成
■高齢患者ほど在院日数は長期化しやすい
DPC公開データを用い、DPCコードごとの75歳以上比率、平均在院日数、退院患者数を基に、75歳以上比率と平均在院日数の関係を見た=グラフ4=。75歳以上比率が60%を超えるような高齢者中心のDPCコードでは、平均在院日数が15日以上となる比率が高くなる。特に75歳以上が80%を超える場合は、ほとんどのDPCコードにおいて平均在院日数が15日を超え、退院患者数ベースでは5割以上のDPCコードが20日を超えていた。
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次回配信は3月17日5:00を予定しています
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