厚生労働省の検討会は9日、社会福祉連携推進法人が行う業務のうち、経営支援業務や貸付業務などの論点について話し合った。貸付業務に関しては、社員である社会福祉法人から社会福祉連携推進法人が貸し付けを受けた場合、返済期間を3年以内とする方向性などが示された。【齋藤栄子】
「社会福祉連携推進法人の運営の在り方等に関する検討会」は、法人のガバナンスルールや業務内容など、具体的な運営の在り方等について整理を行うことを目的とする。
経営支援業務では、具体的に実施可能な取り組みとして、社会福祉事業の経営ノウハウの共有が広く該当するとの方向性が示された。しかし、社会福祉連携推進法人が事務処理の代行を行う際は、他法令に違反しない範囲で行うことが必要になる。
例えば、会計関係の業務や人事労務管理の業務については、社会福祉法人が他者に事務処理を委託している例があるが、税理士法や社会保険労務士法に基づき、社会福祉連携推進法人が行うことはできない。
これを踏まえて、取り組みの例として、▽社員に対する経営ノウハウ等に関するコンサルティングの実施▽賃金テーブルの作成等人事・給与システムに関するコンサルティングの実施▽社員の財務状況の分析-などが示された。
また、社員が経営する社会福祉事業に必要な設備または物資の供給について、紙おむつやマスクなどの一括調達や、社員の施設で提供される給食の供給も可能と例示した=資料1=。
資料1
「社会福祉連携推進法人の運営の在り方等に関する論点整理(社会福祉連携推進業務2)厚労省ホームページより(https://www.mhlw.go.jp/content/12000000/000736348.pdf)※資料2も同様
社会福祉法人は資産の法人外流出を禁止されているが、社会福祉連携推進法人の貸付業務の原資とするために、社員である社会福祉法人が社会福祉連携推進法人に資金を貸し付けることを例外的に認めている。
この貸付業務では、▽貸付金の原資を提供する社員である社会福祉法人(貸付原資提供社員)と社会福祉連携推進法人間の金銭消費貸借契約▽社会福祉連携推進法人と貸し付けを受ける社員である社会福祉法人(貸付対象社員)間の金銭消費貸借契約-の締結が論点となった。
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