【小濱介護経営事務所 代表 小濱道博】
(1)介護報酬は0.7%のプラス改定、年内の審議も終了
2021年度介護報酬改定は、改定率が0.7%と2期連続でのプラス改定となった。うち0.05%はコロナ禍対策として9月までの限定措置であるため、実質0.65%のプラス改定となる。しかし、プラス改定であるからといって、一律に全ての事業者の収入が増えると考えてはいけない。
介護報酬改定の審議で繰り返し強く語られてきたのが、財政中立という言葉である。サービス提供体制強化加算や入浴介助加算等では、上位区分の新設や加算の創設など、プラス改定を感じさせる論点が多数出されていた。新設される上位区分の報酬単位は、現状の区分よりアップするわけだが、その原資となるのは、既存の算定区分の報酬単位を引き下げることで確保される。引き下げた分を上位区分に上乗せする手法こそが、財政中立である。
(2)データベースの構築が促進される改定に
今回の介護報酬改定では、データベースのVISIT、CHASEへのデータ提供が多くの加算の算定要件に位置付けられ、またはデータ提供することへの報酬区分が新設される。通所リハビリテーション、訪問リハビリテーションのリハビリテーションマネジメント加算では、現在の区分(I)および(IV)が廃止されて、(II)および(III)の算定要件にVISIT、CHASEへのデータ提供が位置付けられる。すなわち、データ提供しない場合はこの加算が算定できないということだ。
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