2021年度介護報酬改定に向けて、9日に社会保障審議会・介護給付費分科会の審議報告案が示された。深刻さを増す人材不足への対応として、人員配置基準に関する緩和策が目立つ。特に、テクノロジーの活用を踏まえた生産性向上・業務の効率化については、財務省や経済界からの要望を筆頭に、社会的な要請となっている。一方で、テクノロジーの導入を要件として人員配置基準の緩和を進めることについては、検証が不十分などとして危惧する意見も根強く残った。【吉木ちひろ】
9日、厚生労働省が示した「令和3年度介護報酬改定に関する審議報告(案)」には、▽認知症グループホームの夜勤職員体制の見直し(条件付きで3ユニット2人夜勤を認め、その際の報酬も設定する)▽認知症グループホームの計画作成担当者の配置を1ユニット1名から1事業所1名に緩和する▽従来型とユニット型を併設している介護保険施設などについて、介護・看護職員の兼務を認める▽広域型特別養護老人ホームや介護老人保健施設と小規模多機能型居宅介護事業所を併設する場合に、管理者・介護職員の兼務を認める▽本体施設が特養(地域密着型を含む)の場合は、サテライト型居住施設に生活相談員を置かないことを認める-など、人員配置基準の緩和に関する項目が複数のサービスにわたって盛り込まれた。
このうち、(1)「見守り機器等を導入した場合の夜勤職員配置加算等の見直し(緩和)」(特別養護老人ホーム、ショートステイ、介護老人保健施設、介護医療院、短期入所療養介護、認知症グループホームが対象)や(2)「見守り機器を導入した場合の夜間における人員配置基準の緩和」(特別養護老人ホーム、ショートステイが対象)については、これまでの審議内容を踏まえ、厚労省が個別に修正案を示して議論を促した。
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