【株式会社メディチュア 代表取締役 渡辺優】
■新型コロナウイルス感染症により生じた環境変化による経営インパクトは
10月20日付の日本経済新聞朝刊(電子版は19日付)の記事を引用する。
「コロナで医療費1兆円減 4-7月7%減、受診控え続く
医療費が大きく減っている。4-7月の医療費の総額は前年同期と比べ1兆円規模で減少した。新型コロナウイルス感染症に伴う患者の受診控えや病院の診療体制の縮小が原因だ。小児科の外来は3割減と大幅な落ち込みが続く。海外も同じ傾向だ。緊急性の低い医療が絞りこまれた一方で、治療の遅れによる重症化を指摘する声もある。」
この記事では医療費減少の理由として、患者の受診控えと病院の診療体制の縮小の2つを挙げている。前者は「患者の行動変化」、後者は「病院側の感染対策」であり、どちらも「withコロナ」における環境変化として受け止めねばならない。
この2つの観点で、病院団体の調査報告や、クライアントの指標などから経営インパクトを整理した=図1=。新型コロナウイルス感染症の患者を受け入れた病院と受け入れていない病院で、それぞれインパクトは異なるものの、いずれの病院も甚大な影響を受けている。
図1 新型コロナウイルス感染症の病院経営インパクトの要因とその影響度
■診療報酬が固定で経営改善策のない病院は、システム維持が困難
次に、新型コロナウイルス感染症の影響による外来と入院の環境変化を模式的に示した=図2=。
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次回配信は12月9日5:00を予定しています
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