社会保障審議会・介護給付費分科会は10月30日、居宅介護支援の基本報酬について、介護支援専門員(ケアマネジャー)1人当たりの担当件数が40件を超えた場合に、算定できる単位数が半減する「逓減制」の仕組みを見直す方針について検討を始めた。事業単独での収支の状況について赤字が続いている状況を踏まえ、ICTの活用や事務職員の配置などを満たすことを要件として厚生労働省が見直す方向性を示した。【吉木ちひろ】
居宅介護支援費に導入されている逓減制の仕組みは、1人のケアマネジャーが担当する案件が40件を超えると1件当たりの報酬が半額になり、60件を超えると3割に減額されるもの。見直しの背景としては、居宅介護支援事業所の独立採算が可能となる環境の整備が求められていたことがある。同日公表された介護事業経営実態調査の結果を見ても、居宅介護支援事業所の収支差は利用者の数にかかわらず赤字となっていた。
出典:社会保障審議会・介護給付費分科会資料より
逓減制の緩和で懸念されるのが、ケアマネジャー1人当たり担当人数の増加によるサービスの質の低下について。そこで厚労省は、携帯情報端末を活用したり、専任の事務職員を配置したりすることでケアマネジャーの業務負担の軽減を図っていることを「40件」のラインを見直す際の条件として提案した。
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