介護予防・生活支援サービス事業(「介護予防・日常生活支援総合事業」のうち、要支援認定者や基本チェックリスト該当者を対象とした事業)の対象に、要介護認定者を認めるようにする改正厚生労働省令が22日に公布された。一部からは要介護1・2の認定者を介護保険サービスの給付対象から外すための布石だとして懸念の声が上がっている。厚労省は省令改正に向けて募集していたパブリックコメントを公表。今回の見直しによって、「要介護者の介護給付を受ける権利には変更がない」などと考え方を示している。【吉木ちひろ】
改正省令は2021年4月1日から施行される。市町村が実施する介護予防・日常生活支援総合事業を構成する事業のうち、訪問型サービスや通所型サービスなど4サービスについて、利用者が要介護認定された後も継続して提供することを認める内容を含んでいる。
出典:厚生労働省・一般介護予防事業等の推進方策に関する検討会 (第6回)
省令改正の経緯としては、一部の市町村が総合事業の対象者について「要支援者等に限られてしまっていることで、事業が実施しにくい」と認識している実態を踏まえ、社会保障審議会・介護保険部会で行われた議論などがある。同部会は19年末にまとめた意見書の中で、「本人の希望を踏まえて地域とのつながりを継続することを可能とする観点から、介護保険の給付が受けられることを前提としつつ、弾力化を行うことが重要」と指摘していた。
厚労省は、8月から9月にかけて実施した省令改正に対するパブリックコメントの募集に対して今回、1,141件の意見が集まったことを公表した。
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