厚生労働省は22日、社会保障審議会・介護給付費分科会に対して、医師など医療専門職が居宅療養管理指導を行う際に、居宅要介護者の社会生活面の課題に関する情報を把握し、多職種間で共有する仕組みの検討を求めた。社会的孤立を防ぎ、地域社会における各種支援へとつなげる「社会的処方」の取り組みを促す。【吉木ちひろ】
厚労省は22日の分科会で、2021年度介護報酬改定における居宅療養管理指導の報酬や基準の扱いを検討するための視点を提示。各職種に共通する検討事項としては、▽基本方針(1999年厚生省令第37号)を踏まえた居宅療養管理指導の実施と多職種連携▽居宅療養管理指導の対象となる「通院が困難なもの」の取り扱い(独歩で通院できる者などは算定対象外であることの明確化)▽居住場所に応じた評価(単一建物居住者へのサービス提供に対するよりきめ細かな評価)-の3つを示した。
このうち1点目の検討事項に関連して、7月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2020」(骨太方針2020)には、「かかりつけ医等が患者の社会生活面の課題にも目を向け、地域社会における様々な支援へとつなげる取組」、いわゆる社会的処方の取り組みの推進に関する記載が盛り込まれている。
厚労省は、介護支援専門員に対する情報提供について居宅療養管理指導が行える職種別に、運営基準や算定基準上の扱いを整理して示した上で=資料=、医師や歯科医師が居宅療養管理指導を行う際には、「居宅要介護者の社会生活面の課題にも目を向け」、「関連する情報については、介護支援専門員等に提供すること」を検討の方向性として示した。また、運営基準に他職種への情報提供についての記載がされていない職種に関しては、この記載を盛り込むことも提案した。
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