厚生労働省の「薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会」は21日、病院薬剤師の業務と卒後研修の制度化を巡る議論を始め、病院で勤務する薬剤師の人数には、機能によって格差があるとする調査結果の報告があった。ただ、病院ごとの「充足率」は全ての機能で100%を割り込み、薬剤師の勤務環境を改善する必要性を指摘する意見があった。【兼松昭夫】
検討会では、勤務先別の薬剤師業務や免許取得後の卒後研修などのテーマを年明けにかけて議論することになっており、この日は、病院薬剤師の働き方や卒後研修の実態を明らかにするため省内のそれぞれの研究班が行った調査結果の報告があった。
病院薬剤師の勤務実態の調査は2017-19年に実施。病院薬剤師の人数(常勤換算)や、病院が独自に決める定員に対する「充足率」、薬学生が希望する卒業後の勤務先などを調べた。
100床当たりの薬剤師数を病院の6つの機能別に集計すると、「特定機能」7.22人、「DPC」4.84人などの順だった。これに対し、「療養」は1.82人、最低の「精神」は1.25人(いずれも中央値)にとどまった。
研究班は、病棟薬剤師一人がカバーする病床数は特定機能病院の13.9床に対し、精神科病院では80.0床に上るという推計結果を示した。ただ、充足率は6機能の全てで100%を割り込んだ。研究代表者で、検討会のメンバーの武田泰生・日本病院薬剤師会副会長は「全ての機能で薬剤師不足が明らかになった」として、勤務環境改善の必要性を指摘した。
また、病院薬剤師の都道府県ごとの充足率は、
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