2021年度介護報酬改定では、「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」及び「夜間対応型訪問介護」の人員配置要件が一部、国によって明確化される見通しだ。指定権者によって基準が異なる“ローカルルール”をなくす。厚生労働省が9日の社会保障審議会・介護給付費分科会で、同じ地域密着型サービスである「小規模多機能型居宅介護」に合わせて、計画作成責任者(面接相談員)の管理者との兼務を可能とすることなどを明確化する案を示し、目立った反対意見はなかった。夜間対応型訪問介護については、基本報酬のうち出来高部分に重点を置くことも検討された。【吉木ちひろ】
定期巡回・随時対応型訪問介護看護と夜間対応型訪問介護は、いずれも市町村に指定された事業者がサービスを提供する「地域密着型サービス」。このうち、夜間対応型訪問介護については、これまでの分科会において、定期巡回・随時対応型訪問介護看護に組み込むなど、将来的な集約化を視野に入れた検討がなされている。厚労省の「介護給付費等実態統計」によると、全国の定期巡回・随時対応型訪問介護看護の請求事業所数は右肩上がりにあり、19年4月時点で946。一方、夜間対応型訪問介護の請求事業所数は15年の192が最大で、以降は横ばいから減少傾向にある。19年4月時点の事業所数は172。
2つのサービスについてこの日論点となったのは、▽定期巡回・随時対応型訪問介護看護及び夜間対応型訪問介護の人員配置要件の明確化▽夜間対応型訪問介護の基準緩和▽夜間対応型訪問介護の離島や中山間地域におけるサービスの充実-について。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護の人員配置要件については、18年度介護報酬改定の効果検証調査結果から、指定権者によって「夜間のオペレーターの自宅待機が認められている」事業所が11.8%あることが分かった。なお、同じ地域密着型サービスであり、利用者の求めに応じた柔軟な訪問サービスを提供する小規模多機能型居宅介護の人員基準では、夜間の随時訪問サービス対応要員が必ずしも事業所内にいる必要がないことが明確化されている。
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