サービス付き高齢者向け住宅の運営事業者やハウスメーカーなどで組織する高齢者住宅協会は9月末、国土交通省に対して住生活基本計画(全国計画)の見直しに向けた要望書を提出した。2021年度から始まる次期計画期間を団塊の世代が自宅の建て替えや改修を行ったり、住み替えを促進したりする「最後の期間」と位置付け、対策の強化や継続を求めている。サ高住については、各戸の床面積が25平方メートル未満の場合に確保する必要がある共有利用部分の面積について柔軟な設定を認めることや、税制優遇制度を継続することなどを要望している。【吉木ちひろ】
住生活基本計画(全国計画)は、国交省の住宅施策の基本的な方針や数値目標を10年ごとに定めるもの。策定からおおむね5年ごとに見直し、必要な変更が行われる。さらに、国が定めた本計画に沿って、各都道府県が地域特性に応じた目標や施策を定めることになる。近年は、少子高齢化や人口減少を発端とした住宅ストックの充足を背景として、既存住宅の流通強化やリフォームの推進策などが取り入れられてきた。現在は、21年度から始まる次期計画期間に向けて検討が進められている。
16年に策定された現在の計画では25年までに、「高齢者人口に対する高齢者向け住宅の割合」を4%、高齢者の居住する住宅のバリアフリー化率(2カ所以上の手すりの設置または屋内段差の解消)を75%とするといった数値目標も盛り込まれている。また、この計画が定めた方針に沿って、50-64歳のプレシニアや65-74歳のアクティブシニアに対して要介護状態になる前の住宅改修のポイントなどを示すガイドラインの策定などを行ってきた。
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