2021年度介護報酬改定に向けた、社会保障審議会・介護給付費分科会の14日の議論では、介護DBから「寝返りをうつことも困難である寝たきり状態」(C2)の利用者の4年間を追跡し、自立度の改善ケースがあることを厚生労働省が示した。委員からはデータの利活用を評価する声や、成果があるケアへの報酬での評価を求める意見があった。【齋藤栄子】
寝たきりの大きな要因となる廃用症候群(心身の機能を適切に使用しないことからの機能低下)は、軽い転倒のようなわずかなきっかけによって生じ、若年者よりも高齢者に起こりやすい。生活の不活発化から、一層の廃用症候群の進展という悪循環を生み、「寝たきり老人」を作る大きな原因になるため、離床・リハビリテーション・介護により、悪循環を断ち切ることが重要だとされている。
厚労省は介護DBの集計結果から、C2の利用者のうち、介護サービス等の給付を受ける中で、自立度が改善しているケースが少なからず存在することを分科会に報告した=資料1=。高齢者における離床時間とADLについての調査結果では、「有意に関連し、離床時間が少ない人は自立度が低い傾向にある」ことから、寝たきり高齢者においても、そこに至る前の段階においても、日中等の過ごし方が重要になるとの考えを示した=資料2=。
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