厚生労働省は1日付で、「重症度、医療・看護必要度」の経過措置の取り扱いを事務連絡し、その施設基準の延長については別途、通知などの改正を行う予定だとした。しかし、施設基準の延長は、中央社会保険医療協議会・総会で会長預かりとされたもの。保険局医療課は、会長と調整した結果の対応で、事務連絡を出すことについても中医協委員に連絡し了承を得たとしている。対応の詳細は次回の中医協・総会で説明する。【ライター 設楽幸雄】
9月30日を期限とした経過措置の取り扱いについて厚労省は、8月19日の中医協・総会に提案し、「重症度、医療・看護必要度」では、その測定は予定通り10月1日から新たな方法によることとする一方、施設基準については、2020年3月31日時点で対応する入院基本料を算定している場合には、要件を満たしていることとする期限を、21年3月31日まで延長するものとした。
しかし、支払側委員は、この施設基準の経過措置の延長に強い危惧を示した。
特に、健康保険組合連合会理事の幸野庄司委員は、厚労省が提出した資料で、「緊急事態宣言の対象が一部の都道府県であっても、緊急事態宣言の対象都道府県の周辺に所在する都道府県についても影響があることから、対象は全ての都道府県とする」(8.19中医協総会資料35P)としていたことに対し、「影響が及ぶのが宣言の周辺都道府県であるなら、対象はその周辺都道府県にとどめるべきで、全ての都道府県とする必要はない」と指摘した。
中医協では、診療側委員は一致して厚労省案の実施を求めたが、支払側はその場で了承することはできないとしたことから、最終的には、小塩隆士会長(一橋大大学院教授)が「会長預かり」とすることを提案。支払側も同意して、「会長預かり」で決着した。
医療課は、「会長預かり」については支払側も同意していたことから、会長と調整して、事務連絡を出す判断をしたとし、また、1日付の事務連絡を出すこと自体、中医協の各委員に連絡して了承を得たとしている。
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