【小濱介護経営事務所 代表 小濱道博】
1.介護報酬改定審議、サービスごとの論点を議論
社会保障審議会・介護給付費分科会での、2021年度介護報酬改定についての審議は進み、サービス全体を横断的に捉えた4つの論点以降、地域密着型サービスと通所型サービス、短期入所など個別サービスの論点が出された。8月に入った現在では、関係団体のヒアリングが行われている。今後、引き続き訪問サービス、介護施設などの論点が明らかになり、1巡目の審議が終了する。年内には、介護給付費分科会での審議が終わり、来年1月には介護報酬単位などが発出される。その後は、解釈通知やQ&Aなどが順次、示されて、4月から新しい介護保険法、介護報酬下での業務がスタートする。
2.地域密着型サービスの論点
7月8日の分科会に出された、地域密着型のサービスごとの論点を見てみる。
「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」では、限られた介護人材を有効に活用しながら、効率的なサービス実施を可能とする方策が示された。これまでも、オペレーター配置基準の緩和などが実施されてきたが、さらなる基準緩和が検討された。
「夜間対応型訪問介護」では、定期巡回・随時対応型訪問介護看護との整合性の観点などが示された。元々、この2つのサービスは類似性が指摘されている。明確な役割分担の必要性もあまり感じられないが、何らかのすみ分けが検討される可能性がある。
「小規模多機能型居宅介護」では、「都市部や中山間地域等のいかんに関わらずサービスを受けることができるようにする」との論点が示された。この論点は、認知症対応型共同生活介護や通所介護など幾つかのサービスでも同様に出されている。過疎地域等において一定の条件を満たす場合に、登録定員の超過減算を一定期間に限って行わない措置などが検討されている。
今回の介護報酬改定から「2040年問題」を踏まえた議論となり、地方の過疎化対策が問題視されている。以前からサテライトでの指定基準が設けられているが、サテライトすら存在しない地域があるのが現状だ。今回のコロナ特例でも、一定の条件下で定員超過があった場合は、定員超過減算としない措置が設けられた。この特例措置は、コロナ終息後も過疎化が進む地域での継続適用が可能になるであろう。
「看護小規模多機能型居宅介護」では、
(残り1606字 / 全2576字)
次回配信は9月18日5:00を予定しています
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】