【株式会社ジャパンコンサルタント アンド メディカルサービス代表取締役 森清光】
2020年もすでに半年が過ぎました。この間に診療報酬改定がありましたが、新型コロナウイルス感染症のインパクトがあまりにも大きく、日本全国で自粛による受診控え、感染対策による手術延期など、病院経営にとっては予期せぬ経営リスクが発生しました。
内閣府が発表した4月の景気動向悪化幅は、リーマンショックを超える状況となっており、数カ月後の景気を示す先行指数も、1985年以降で最大の下げ幅になるなど、新型コロナウイルスの日本経済への影響が顕著に表れています。ある調査では、ほぼ全業種で業績が悪化しているとの報道がありましたが、医療機関にも甚大な影響が出ています。支払基金の4月診療確定分結果では、件数23%減・金額11%減と、大きな影響が出ていることが数値に表れています。
6月に入り、新型コロナウイルス感染拡大による自粛が全面解除されましたが、7月に入り、東京を中心として徐々に感染者が増える傾向にあり、改めて都心部の医療関係者は危機感を募らせている状況です。
7月4日には大雨による熊本県人吉地区での河川の氾濫が起きて、中核病院や特別養護老人ホームが多大な被害を受けました。その後も西日本を中心とした大雨がやまず、各地に甚大な影響が出ています。
近年、異常気象による病院や介護施設の経営リスクは増しており、16年には熊本地震、18年には西日本豪雨、19年は台風15号というように、毎年のように全国で大きな自然災害が発生しています。高額医療機器が多く、被災による診療不能期間には人件費が重くのしかかる医療機関にとって、改めて自然災害への備えを考える必要があります。
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