【株式会社ジャパンコンサルタント アンド メディカルサービス代表取締役 森清光】
新型コロナウイルスによる緊急事態宣言から、早くも1カ月が経ちました。残念ながら当初予定された5月6日に解除はできず、5月末まで延長されることとなりました。緊急事態による自粛で、すでに多くの倒産や閉店など経営危機が報道されているように、経済的には大きな痛手となっております。一方で、「新規感染者1週間ゼロ地域」や首都圏の感染者数の減少傾向、39県に関しては緊急事態宣言解除がされたこと、レムデシビルが治療薬として承認されるなど、前向きなニュースも増えています。
医療業界においては、受診控えが増えていることや、薬の処方期間を「延ばしてほしい」などの患者動向により、多くの医療機関で収入減少が続いています。また、自費収入である健康診断においては、4月17日厚生労働省保健局発の「新型コロナウイルス感染症に係る緊急事態宣言を踏まえた特定健康診査・特定保健指導等における対応について」(改訂)にて、緊急事態宣言の期間は特定健康診査を控えること、その他保健指導においても対面や集合形式等は控えることなどが記載されており、5月6日までの期間で休止した施設が多く、大幅な収入減となっています。
世界に目を向ければ、まだまだ感染拡大している国や、経済活動への圧力に耐えられずにロックダウンが維持できず、外出緩和を拡大する国などもあります。一時的な収束を迎えたとしても、経済活動が本格的に再開すればグローバル社会である以上、再度世界で感染拡大する可能性も大いにあり、今後の医療経営においても季節性インフルエンザのように、予防・検査・治療がワンストップで実施できるようになるまで、警戒を緩めることはできないでしょう。
新型コロナウイルスにより、日本の大規模感染症対策の脆弱さ、感染症に関する病院設計・患者対応・オンライン診療等ITを利用した次世代医療構想・保険診療構想における感染症対策費用など、さまざまな問題点が浮き彫りとなりました。また、社会全般においては、テレワークの再評価、ハンコ等旧態依然の管理変化、通信販売やテイクアウト文化の発達など大きな変化が起きています。発生源とされた中国では、オンライン診療の有用性が世間一般に広く認知されて、ポストコロナにおける発展期を迎えています。
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