【千葉大学医学部附属病院 副病院長、病院経営管理学研究センター長、ちば医経塾塾長 井上貴裕】
新型コロナウイルスが猛威を振るってから、すでに3カ月が経過しようとしている。この難局を乗り越えるために英知を尽くし、自らの犠牲を払ってまでも働く医療職の崇高な倫理観には、頭が下がるばかりである。確かに我が国の医療は、医師や看護師等医療職の「気持ち」で成り立ってきた部分も多いわけだが、長期戦に突入しようとしている新型コロナウイルスとの闘いを、それだけで乗り越えることは難しいかもしれない。効率的で効果的な仕組みを構築することが大切であるのは、言うまでもない。
グラフ1は、COVID-19重症者における人工呼吸器装着数の推移を見たもので、増加傾向にあったが4月27日を境に減少に転じている。さらに、COVID-19重症者におけるECMO装着数の推移を見ても同様の傾向にあり=グラフ2=、集中治療が必要な患者は4月27日にピークアウトしたという見方もできる。グラフ3は、国内のCOVID-19に対するECMO治療の成績累計であり、残念ながら一定の死亡患者はいるが、それ以上にECMO離脱者が増加しており集中治療の成果が表れている。
(残り2153字 / 全2693字)
次回配信は5月25日5:00を予定しています
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】