【千葉大学医学部附属病院 副病院長、病院経営管理学研究センター長、ちば医経塾塾長 井上貴裕】
医療機関群の評価は2012年度診療報酬改定時に導入され、「大学病院本院に準じた高密度診療病院群」(当時はII群、18年度からDPC特定病院群)は90病院からスタートし、改定ごとに増加し、20年度には156病院まで増えた=グラフ=。当初、医療機関群はI・II・III群とされたが、上下関係や格付けのようだという批判もあり、大学病院本院群、DPC特定病院群、DPC標準病院群と名称が変更された。II群の選定要件の一つに「高度な医療技術の実施」があるが、当初は外保連試案を評価対象としていたが、外科系に偏っているとの意見も出たため、16年度改定では「特定内科診療」による評価が導入された。
また、診療密度について、後発医薬品が存在するものは、薬価の最低値に置き換えて試算を行うなどのマイナーチェンジが施された。しかし、基本的な思想は当初から一貫して変わっておらず、それなりの高度急性期病院がDPC特定病院群とされ、高い基礎係数が付与されている。
グラフ DPC特定病院群の推移
DPC特定病院群は、基準値が大学病院本院の最低値(明らかな外れ値を除く)に設定されるため、大学病院本院の診療実績によって影響を受ける。“当落線上”にある病院にとって、そこにとどまろうとするならば、どのような方針を採用するかが明暗を分けることになる。
今回は12年度改定時から20年度までの各実績要件における基準値の特徴に触れた上で、今回初めて特定病院群になった厚生連高岡病院(富山県高岡市、533床)の取り組みについて紹介する。
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次回配信は3月30日5:00を予定しています
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