【横浜市立大大学院国際マネジメント研究科 准教授 黒木淳】
新型コロナウイルスへの緊急対応が広がっている。新型コロナウイルス感染症対策本部は25日、「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」を公表した。国民は不安と不満を募らせているであろうが、不確実な事象に対して全てが万全ではないことも認めなければならない。その中で、新型コロナウイルスに対して最もリスクを負い、向き合っているのは医療従事者であろう。
本来の診療のみならず、新型コロナウイルスに果敢に向き合う医療機関には心から感謝と敬意を表したい。医療従事者も自らと同じ国民の一人であり、不測の事態に向き合う方々に感謝の心を忘れてはならないと思う。
さて、筆者自身も27日に50名強の聴衆者を集めたシンポジウムを主催する予定であったが、中止を決定した。中止の決定に至るまでには、非常に長く苦悩していたことも事実である。
これは、まさに非財務情報を活用したリスクマネジメントの例であった。将来の不確実性をリスクとして認識し、そのリスクに対してどこまで取り組むのかについて思料を繰り返していた。このような悩みは、病院や行政などさまざまな組織の担当者間でも持つものだろう。
(残り1532字 / 全2039字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】