政府の全世代型社会保障検討会議は19日、紹介状なしに受診した外来患者から定額負担の徴収を義務付ける病院を大幅に拡大する内容の中間報告を取りまとめた。大病院と中小病院・診療所の外来診療の役割分担を推進するためで、地域医療支援病院に限らず「病床数200床以上の一般病院」を対象にする。ただ、病院が少ない地域などに配慮する。厚生労働省の医療施設調査によると、200床以上の一般病院は2018年10月1日現在、全国に2,010カ所ある。【吉木ちひろ、松村秀士、兼松昭夫】
また、病院が徴収する定額負担を増やし、その分を保険給付の一部に充てるなど枠組みの見直しを検討する。検討会議と並行して社会保障審議会や中央社会保険医療協議会で20年夏までに話し合い、遅くても22年度の初めにスタートさせるとしている。この方法だと、中小病院・診療所を受診した方が患者の負担が軽くなる上、保険財政の負担減を見込める。ただ、病院の増収にはつながらない。
安倍晋三首相は、「増額分について新たに公的医療保険に繰り入れるよう改めることで、現役世代の負担上昇を抑えていく」と述べ、20年夏の最終報告に向けて具体的な検討を進めるよう関係閣僚に指示した。
(残り942字 / 全1448字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】