【株式会社メディチュア 代表取締役 渡辺優】
■看護必要度の2つの対策
診療報酬改定に向けた議論の方向性がだいぶ見えてきた。このタイミング以降に、新たな入院料や評価方法が出てくることもあり得るが、読めないものを「ああでもない、こうでもない」と述べても意味がない。そこで、これまでの議論とその論点から、今、急性期病院が取り組むべきポイントを掲げる。
今、取り組むべき2つのポイント
●看護必要度II(EFファイルによるA項目・C項目評価)への切り替え検討
●看護必要度「基準(2)のみ該当」患者割合の確認
極論すれば、この2点だけだ。看護必要度については、当連載72回、73回、81回でも次期改定を意識し述べてきたが、改めて要点を整理する。
■看護必要度IIへの切り替えは不可避
11月18日の「看護必要度の該当患者割合要件、引き上げの方向へ」の記事に「必要度IIを推進する方向が確認され」とある通り、看護必要度は、将来的に必要度IIに一本化されていくことが想定される。看護管理上の業務量把握を目的とする看護必要度Iに対し、診療報酬上の要件としての看護必要度IIという位置付けであると考えるならば、比較すること自体がナンセンスかもしれない。その上で、EFファイルによる必要度IIは、▽現場の評価・記録の負担軽減▽評価内容の見直しに伴う教育・研修の負担軽減▽評価自体の精度-など、さまざまな観点において、Hファイル提出による必要度Iよりもメリットがある。
いつから看護必要度IIに一本化されるか、必須化されるかははっきりしない。しかし、すでに多くの病院が看護必要度IIに切り替えている=グラフ=。おそらく、切り替えた病院では、看護必要度Iの評価・記録はもうしていないと考えられる。このような現状を踏まえると、よほどのことがない限り、いずれ看護必要度IIに一本化されると考えてよいだろう。
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