株式会社CBナレッジではこのほど、「先手必勝!次期診療報酬改定・介護報酬改定の動向と対策を読み解く」と題して、セミナーを開催した。池端幸彦氏(日本慢性期医療協会副会長、医療法人池慶会理事長)が講演し、地域の病院の状況をよく見つつ、急性期から回復期へシフトしたり、介護医療院を設けたりすることなどを提案した。【構成・大戸豊】
※講演は10月4日に東京・浜松町で行われた
■地域のマーケティングをしないと共倒れになる
地域医療構想では、回復期の病床が足りないとされている。
ただ、現時点で急性期と報告する病院でも、その3分の1くらいは、患者層は回復期に当たるのでは。
地域包括ケア病棟は収入がいいのに、移らない病院も多い。これらが回復期にスライドすれば、地域医療構想は、ほぼうまくいくのではないか。
慢性期と在宅等を合計すれば60万床くらいだが、地域によって状況は異なる。在宅医療などの整備が進む地域ではさらに増えるだろう。一方で、介護施設や慢性期の病院が中心で、在宅の資源が少ない所は、引き続き施設中心で進むだろう。しかし保険財政等を考えれば、やはり行政側は、(現状では比較的持ち出しが少なくなる)在宅推進に舵を切るであろう。
DPC、NDB、介護DBなどのビッグデータの活用が進んでいる。
診療報酬や介護報酬などのデータで「見える化」を進めると、地域の病院や介護施設が、どれくらいのアウトカムを生んでいるのかが分かる。
「A病院では、これくらいの状態の患者を診ている」ということが分かると、周囲の病院も自分たちが受け入れるべき患者をもっと考える。競合に勝てるのか、勝てないのなら、競合しない分野はどこなのかを見極めていくはず。
地域医療構想のデータは、企業ならマーケティングに活用するもの。地域の病院についてしっかりマーケティングし、自院の方向性を決めないと共倒れになる。データを活用すべきだ。
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