【株式会社ジャパンコンサルタント アンド メディカルサービス代表取締役 森清光】
厚生労働省が、再編や統合に関する議論が必要だと全国424病院の病院名を9月26日に公表したことで、病院に関する環境の悪化が一層明確になりました。リストの中には、済生会の中核である「東京都済生会中央病院」など、歴史ある病院の名前も含まれています。その後、さまざまな議論を呼んでいますが、その中には民間病院についても公表が必要だとの声もあり、中小病院にとっても他人事ではなさそうです。
さて、予定通り10月より消費税が10%になりました。医療機関では特に混乱は起きなかったようですが、今後の経営はより厳しくなっていくことでしょう。単純計算で、1億円当たりの仕入れや外注費で200万円のコスト増となります。医療機器は高額であるとともに、メンテナンス契約や消耗品など間接コストが上昇することも含めて、消費税増税が重くのしかかります。そこで今回は、病院経営状況の把握とコスト削減案について書かせていただきます。
■経営状況の実態を係数的に把握する
昨今、企業ではBIツール(ビジネスインテリジェンスツール)がトレンドとなっています。BIツールは、それぞれの企業に蓄積された多種多様のデータを集計分析し、意思決定プロセスを手助けするツールです。
医療機関向けBIツールもすでに複数社より提供されており、大規模病院やグループ病院を中心に導入されています。BIツールでは、日々の患者動向・入院動向・手術室稼働率や薬剤の管理情報、職員動向など多目的分析ができるものがあります。
(残り1061字 / 全1731字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】