【株式会社リンクアップラボ 代表取締役 酒井麻由美】
この6月から7月にかけ、診療報酬調査専門組織の「入院医療等の調査・評価分科会」が、2018年度診療報酬改定後の状況などを報告した。
急性期一般入院基本料の病棟では、「重症度、医療・看護必要度」(以下、看護必要度)の評価項目の見直しによる効果なのか、該当患者割合がアップしていた。急性期一般入院料1(以下、急性期1)を届け出ている病院でも、特に199床以下で該当患者割合が40%を超えている所が、他の病床規模の病院と比較して多かった。これは一体何を意味するのか―。
筆者の酒井麻由美さんが9月27日(金)17時から、東京・浜松町でセミナーを開催します。
「20年度報酬改定、急性期だけ見ていると読み誤る-入院が実は必要な人、見逃してませんか」をテーマに、急性期の方向性はもちろん、そこだけに注目していると見えてこない「地域を含む患者の流れ」なども解説します。ぜひご参加ください。
■次回改定で、看護必要度A・C項目を重視する可能性も
18年度改定では、看護必要度の該当患者の基準が変わり、B項目の14・15の認知症やせん妄の患者の項目に該当すれば、A項目は1点でもOKとされた(14・15以外のB項目の場合、A項目は2点必要)。これに該当するケースが199床以下には多いことになる。
実際に、この新たな評価項目に該当する患者は、80歳以上で、肺炎、尿路感染、心不全、骨折など(以下、肺炎等)の高齢患者である。このような患者は、入院によって認知症の症状が悪化し、治療が進みにくくなり、結果として入院が長引くことも多い。なお、A項目のいずれか1つ(例えば、心電図モニターの管理や酸素吸入、創傷処置)には該当するものの、2つ以上の該当が少ない。しかし、B項目のケア的な要素は強く、見守りも必要であり、人の手を多く要する。今後確実に増える入院対応患者である。
ただ、その対応は看護職員でなければならないのか。A項目やC項目では看護職員や薬剤師等の対応が必要だが、B項目は看護補助者も対応可能な行為であり、看護補助者も含めて手厚い配置にしても可能なことが見えてくる。そう考えると、次回改定で7対1の急性期病棟の評価では、A項目、C項目を重視する可能性もある。
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