【一般社団法人リエゾン地域福祉研究所 代表理事 丸山法子】
消費税の引き上げに合わせた、10月の介護報酬改定がいよいよ目の前です。これを見据えた数字のシミュレーションや、「特定処遇改善加算」の配分方針など、きっと準備は万全でしょう。
これまで6カ月にわたり、「10月に向けて」をテーマに現場をレポートしてきました。方針を早々に固めて準備を整えた所もあれば、幾つかの事業所で共通して耳にしたのが「様子見です」というフレーズでした。近隣の事業所の動向を見て、横並びになるように実施しようというお考えだったのでしょう。職能団体からの情報や税理士、経営コンサルタントなどのアドバイスにより、ようやく方針決定を迎えてほっとされているのではないでしょうか。
■10月に期待を裏切られると年末の離職ラッシュが起きかねない
さて、法人からの依頼で中間管理職のマネジメント教育のための研修や面談をしていると、聞き流せない話がありました。「秋から8万円アップだと信じて、とても楽しみにしているベテラン介護福祉士がいる」「介護職の方が給料は高くなるから元の部署に異動したいとケアマネジャーが言ってきた」という現場スタッフの声です。
勤続10年以上など、「経験のある介護福祉士には8万円の昇給を」という噂は、いつしか思い込みに変わり、その日を心待ちにしているようです。しかも、その言葉に対して中間管理職が、「上が決めることだから分からない」などと答えていて、驚愕しました。
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