【株式会社メディチュア 代表取締役 渡辺優】
■入院患者の急増が見込まれる循環器系疾患
地域医療構想などで示されている将来の医療需要見込みにおいて、脳血管疾患を含む循環器系の疾患は大幅な増加が想定されている。長野県の地域医療構想の入院患者将来推計において、がん(新生物)はほぼ横ばいの推移なのに対し、循環器系の疾患は高齢者を中心に大幅な増加が見込まれている=図1=。
図1 地域医療構想における入院患者数の推移見込み(長野県の例)
信州保健医療総合計画 別冊 長野県地域医療構想(2017年3月)より引用
このような推移見込みの傾向は長野県に限らず、多くの地域で共通だ。現状の受療率と人口動態を掛け合わせて算出すれば、多少地域差はあるものの全国ほぼ同じ大幅な増加が見込まれる。
■心臓カテーテル検査の入院件数は減少に
しかし、DPC公開データで見ると、狭心症の心臓カテーテル検査入院の件数は2016年度にピークに達した可能性がある=グラフ1=。一定基準(年50件、100件、500件)を超えるような症例数の多い施設数の推移を見ると、いずれの基準値においても、直近はほぼ横ばいになっている=グラフ2=。
(残り2342字 / 全2838字)
次回配信は9月4日5:00の予定です
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】