【株式会社メディサイト 代表取締役、MBA 松村眞吾】
団塊世代が75歳以上になる2025年を目標とする医療改革が進められてきたが、その基本は地域包括ケアシステムの構築である。いわゆる「病院完結型」から「地域完結型」の医療への移行は、住まいを真ん中に置いた地域包括ケアの具体化を意味する。
ここでは、在宅医療の強化などを見据えた地域医療の構築がテーマとなり、「かかりつけ」機能の強化が図られている。日本は「かかりつけ」医を中心にプライマリ・ケアを充実させてきた欧州諸国をモデルにしており、医師だけでなく、歯科医師や薬剤師などを含む「かかりつけ」機能の強化が進められていく。超高齢化により、複数疾患を抱える患者が増え、免疫低下、慢性化など疾患構造の変化も顕在化し、「治す」から病気と「付き合う」時代に入った。
筆者の松村眞吾氏が、7月19日(金)18:00から東京・浜松町で、CBnewsセミナー「外来減少時代」に負けないクリニック経営 ―カギは院長力・ヒトのマネジメント・連携力―」を開催します。受講料は3000円(税込)となります。ご参加をお待ちしております。
■分散する多職種が協働することの難しさ
厚生労働省の「医療従事者の需給に関する検討会 医師需給分科会」の議論では、「外来医師数が充足している」地域で新規開業する場合には、「在宅医療、初期救急医療、公衆衛生等」を担う必要があると提起された。今後、「かかりつけ」医による在宅医療が促進されていくのは間違いない。もちろん、一人院長では困難であり、200床未満の中小病院などとの連携が重要となってくる。
人口減少が本格化する20年代には、外来需要の減少が診療所経営を直撃する。現在でも中山間地域では、患者送迎がごく当たり前になっている。超高齢化+人口減少によって、診療所の機能に在宅対応が加わっていくことは避けられないともいえる。
ただし24時間365日対応の負担だけが、在宅医療のボトルネックではない。
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