【一般社団法人リエゾン地域福祉研究所 代表理事 丸山法子】
10月に報酬改定があるからといっても、目の前にある理事会や評議員会、新年度の事業計画などもろもろの書類を整えて会議漬けになるこの季節。花粉症とともに落ち着かない春を迎えているのではないでしょうか。全体を考えなければ将来が不安だということは分かっているけれど、ゆっくりなんて考える時間はないというのが、施設長。本当にお疲れさまです。
■「介護現場の生産性向上って?」に答えられますか
先日、介護の現場で実践すべき取り組みや具体的なノウハウを盛り込み、生産性を上げようというガイドラインが厚生労働省から出されました。居宅サービス、施設サービス、そして医療系サービスを対象にそれぞれ作成されています。もう既にご覧になったことでしょう。今までの介護業界ではあまり出てこないような、ビジネスシーンで使われるキーワードが並んでいます。視覚化され、手順も具体的に示され、事例もあったりして、とても分かりやすいなという印象と、「今日からできること」というタイトルまで付いていて、ここまで親切にしてくれたのねと、ちょっと驚きです。ぜひ、幹部の皆さんで共有して、活用していただきたいと思います。
「介護分野における生産性の向上について」(厚労省ホームページ)
そこで質問です。「介護現場の生産性向上とは、どういうことですか」と幹部職員に聞かれたら、施設長のあなたはどのように答えますか。説明するとすれば、費やした資源(お金・人・時間など)に対して、どのくらいの大きな効果が得られたかということです。いわゆる3M「ムリ・ムダ・ムラ」のカット。誰も無理をしない・させない、無駄な仕事・用済みなものを手放す、そして、人によって、気分によって、また時と場合によって、その都度やり方が違うといった「ムラ」のない仕事をすることです。
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