厚生労働省の吉田学医政局長はこのほど、東京都内で行われた医療介護福祉政策研究フォーラム主催の2019年新春座談会で、「2040年に向けての医療・介護の挑戦~行政の視点から~」をテーマに講演した。25年という「キーイヤー」への取り組みはある程度形になったことから、40年という次なる課題の議論を始める働き掛けをしているとした。【齋藤栄子】
吉田医政局長は、13年に報告書がまとめられた「社会保障制度改革国民会議」の枠組みの中で、それぞれのプロジェクトを「粛々と進めて本日まで来た」と、これまでを振り返り、25年という大きなキーイヤーに向けた取り組みは、「まだまだ課題はあるが形としてはある程度、そろった」との考えを示した。消費税率が10月に予定通り10%へ上がれば、課題解決のめどは立つとの考えで、今後は構想段階である地域包括ケアシステムを25年に向けて具体化し、実践していかなければならないとした。
地域包括ケアシステムは、心身の状態が変化しても住み慣れた地域で生活できる仕組みづくりを目的に、地域内でバラバラに展開する支援やサービスを、時間と手間をかけて結び付ける取り組みである。地域包括ケアシステムは、制度ではなく実践によって形作られるネットワークであると同時にマネジメントであり、学術的に「規範的統合」と呼ばれる考え方の共有が大事だと、吉田局長は強調した。
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