【公益財団法人星総合病院 理事長 星北斗】
「病院給食はまずいもの」というのが、これまで“常識”とされてきたかもしれないが、現在は大きな変革期を迎えている。質の向上や人材確保のため、利益の確保は厳しくなり、外部委託で費用を圧縮する病院も少なくない。早朝からの勤務を余儀なくされることもあって人手不足は著しく、給食の在り方も変化を迫られている。星総合病院(福島県郡山市)では、病院給食の在り方を変えたり、食を軸とした地域づくりを進めたりしてきた。これまでの取り組みを紹介したい。
食へのこだわり
そもそも私は食に興味があり、板前修行のまね事をしてみたり、フランス料理のシェフの手ほどきを受けたりしながら、学生時代を過ごした。医師にならなければ、きっと料理人になっていたと思うほどだ。
その後、最初の赴任地である秋田で家庭菜園を経験し、保健所の栄養士さんとの栄養改善活動などを通じ、地元の食材や郷土料理に興味を持つようになった。
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