厚生労働省は27日、医療従事者の需給に関する検討会の看護職員需給分科会に対し、今後の議論の進め方や需給推計などの案を示した。2018年12月を目途に都道府県に「推計ツール」を発送し、19年3月末までに都道府県の推計を集約する。医師の需給推計の方法を踏まえながら25年における看護職員の推計を行う方針だ。【新井哉】
■分科会の議論再開、医師と同じ前提で推計が可能に
看護職員の需給の見通しを巡っては、おおむね5年ごとに病院などの全数調査を基に把握した数字を積み上げる方法で策定してきた。しかし、15年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2015」(骨太の方針2015)で、「地域医療構想の整合性などの観点を踏まえた医師・看護職員等の需給について、検討する」とされたことを受け、従来の積み上げ方式ではなく、医師の需給推計の方法と整合性を図りながら、将来の医療需要を踏まえた推計方法を同分科会で検討することになった。
同分科会については、16年1月に初会合、同年6月に2回目の会合を開いたが、「医師の働き方改革に関する検討会」が設けられることになり、この議論を基に医師の需給推計を行う方針となった。このため、「基礎データや考え方などの整合性を図る」(厚労省)との理由で、2年以上も分科会が開かれなかった。同分科会の早期再開を求める意見などが出ていたが、厚労省は動かなかった。
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