【特定医療法人谷田会 谷田病院 経営マネジメント 竹森健太、事務部長 藤井将志】
■はじめに
皆さんの病院の未収金額は適正でしょうか。未収金は、多様な病床機能や地域性、規模に関係なく、多くの病院で抱えている課題ではないかと推察できます。本著では、医療業界の未収金の実態に触れながら、当院の取り組みについて、ご紹介します。
■医療機関における未収金の現状
医療機関の未収金は、2005年に実施された四病院団体協議会の調査により、協議会に加入する病院の約3270病院における累積未収金額が1年間で約219億円、3年間で約426億円になると指摘されています。未収金は民間病院で平均約249万円、公立病院だと約1322万円にも上ります。
これらのデータからも、多くの病院で未収金問題は経営上、切り離せない問題となっています。当院は、熊本県の上益城郡甲佐町にある99床のケアミックス病院で、二次診療圏内の人口が約3万人、高齢化率は35%を超える超高齢化の地域です。そのため、経済的困窮者が比較的多く、未収金額が年々増加傾向にありました。当院の未収分析をすると経済的困窮者や悪質滞納が過半数を占め、事務方だけの対応では厳しくなり、多職種を巻き込む見直しが必須となりました。見直す際には、「未収金が発生しない仕組みづくりと督促などを含む管理業務の効率化を行うこと」を重要視しました。
※記事後半に業務フロー図があります。
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