看護師などの夜勤対応を行う医療従事者の負担軽減のため、勤務間インターバルの確保への配慮が図られるように検討を進めていく―。厚生労働省が22日までに明らかにした「過労死等の防止のための対策に関する大綱」の改定案に、こうした方向性が盛り込まれた。過労死防止に向け、医療機関はどのようなことに配慮し、取り組みを進めていったらいいのか。【新井哉】
■看護師の勤務形態を問題視、調査や防止対策の要望も
大綱の改定案は、厚労省の「過労死等防止対策推進協議会」の議論を基にまとめたもので、協議会の会合では、医療従事者の勤務間インターバルなどについて議論してきた。
2017年10月に行われた協議会の会合では、勤務間インターバルについて、厚労省の担当者が、企業などを対象に実施した調査の結果を取り上げ、「11時間超」と「7時間超8時間以下」がそれぞれ3割近くを占めたことを説明した。ただし、勤務間インターバルに「深い定義を与えているわけではない」との見解を示し、検討会などで定義付けを行う必要があるとしていた。
18年1月の会合では、委員が医療機関を例に挙げて交代制勤務の課題などを取り上げ、医師が時間外労働で100時間を超える状況であった場合は「ほとんど、脳・心疾患であろうと自殺であろうと、労災として認定される」と述べた。
その一方で、交代制勤務の看護師については、深夜勤務が非常に多いにもかかわらず、残業が40-50時間しかなかったとの理由で労災として認められない結果になっていると指摘。過重性を生じさせる勤務形態(深夜勤務、交代制勤務)に関する科学的な調査を行い、防止対策を講じる必要があると主張していた。
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