【医療法人あい友会 あい太田クリニック 舘野晃一郎】
4月を迎え、診療報酬が改定されました。読者の皆様も「施設基準の届け出を終えて一段落」という方も多いのではないでしょうか。
2018年度は診療・介護報酬のダブル改定で、改定率は診療報酬本体+0.55%、介護+0.54%でしたが、これまでの方向性を推し進めるものであり、大きな“路線変更”はありませんでした。目立ったのは、アウトカムがより評価された点であり、医療と介護の連携が評価されたことかもしれません。在宅診療は「医療」分野ですが、その中でも介護との距離が近い分野とも言えます。
連載では、在宅部門に関連した改定項目に触れつつ、在宅診療が、病院や介護事業者とどのような関係を築いていく必要があるのか、考えたいと思います。
■サ高住に医療ニーズの高い利用者が増加、在宅医や訪問看護の対応もより重要に
「あい太田クリニック」(群馬県太田市)は、14年に在宅診療中心のクリニックとして開設しました。常勤医師6人、非常勤医師5人のほか、看護師、薬剤師、管理栄養士、社会福祉士、事務職員が所属し、約550人の在宅患者の診療を行い、毎月の看取り件数は15人ほどです。訪問看護ステーションや居宅介護支援事業所は併設しておらず、近隣の施設と連携を取りながら対応しています。
訪問診療の対象は、一人では通院困難で、在宅での療養を希望する患者となっていますが、そういった意味では、対象の幅が非常に広いと言えます。近年、在宅医療のニーズは多様化・高度化していますが、それには病院の平均在院日数の短縮や在宅復帰率の要件アップなどが影響していると思います。
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次回配信は5月18日5:00の予定です
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