【株式会社メディチュア代表取締役 渡辺優】
■機能評価係数IIはアップした病院の方が多い
DPC算定病院にとって、機能評価係数IIは経営上大きなインパクトを持つ。以前、包括点数が高くなる化学療法などは、医療機関別係数によって入院収入が大きく左右されることを「『高額な抗がん剤治療はIIIが不利』に疑問」で述べた。2018年度診療報酬改定に伴い暫定調整係数がなくなり、その分が機能評価係数IIに配分された。医療機関別係数で機能評価係数IIのウエートがさらに高くなったことで、係数の向上は、急性期病院にとってより重要な経営改善策となったと言える。
まず、各病院の機能評価係数IIが、17年度からどの程度変化したかを調べた=グラフ1=。ここには暫定調整係数の廃止と激変緩和係数の新設の要素も含めている。
※グラフ1以降も、機能評価係数IIの変動には、暫定調整係数と激変緩和係数の要素を含めている
グラフ1 機能評価係数IIの変動状況(17→18年度)
2017年度第1回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会、16年度DPC導入の影響評価に関する調査、18年厚生労働省告示第71号の各資料を基に分析。18年度から新規にDPC算定開始した病院や17年度に統合再編した病院は含まない。グラフ2以降も同様。
DPC算定病院では、1%前後増加した所にピークが来ている。暫定調整係数、後発医薬品係数、重症度係数の廃止と、それに伴う各係数への配分および激変緩和係数の新設の影響により、係数がプラスとなった病院が多いのは、グラフからも分かる。なお、激変緩和係数を含めても、4%以上増加・減少している所も見られる。
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