【社会医療法人博進会南部病院 理事長 小笠原和人】
前回、人材確保について当院の取り組みをお伝えしましたが、今回は職員教育を紹介いたします。
私たちの職員研修会では、大きく分けて、(1)全員参加型の院内勉強会(2)全日本病院学会での発表(3)勤続年数別の研修会-を行っています。
まずは全員参加型の勉強会ですが、当院では医師、看護師はもちろん事務、清掃の職員に至る全職員が参加する勉強会を、1981年(昭和56年)から行っていて、他職種の仕事内容や問題点を共有できる場としています。月に2回程度、午後1時頃から、発表、質疑応答を含め、約30分間行っています。医療に関わる専門的な演題はもちろんのこと、直接医療には関わらないような、例えば「病院から出るごみの現状と行先」や「東日本大震災を経験して-栄養科の備え-」、「たばこ農家の息子、たばこをやめる」といったバラエティーに富んだものもあります。特にごみの話などは、看護師や医療技術者が聞いてもあまり意味がないと思われがちですが、発表を聞いて、感染ごみと普通ごみの分別がなされないために、かなりのお金が無駄になることを知り、すべての部署でごみの分別をしっかりするようになりました。「たかがごみ」と思われるかもしれませんが、病院経営にも大きく貢献した発表でした。
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