【社会医療法人財団董仙会 本部情報部長 山野辺裕二】
2018年は、診療報酬と介護報酬の同時改定だけでなく、第7次医療計画と第7期介護保険事業計画などもスタートする「惑星直列」ともいわれる年です。さまざまな環境の変化が予想されますが、報酬だけでなく、医療・介護・福祉ITにも大きな変化が求められているような気がします。
■PHRが身近にやって来た
私の職場である恵寿総合病院では、最近PHR(Personal Health Record)のサービスを急ピッチで拡充しています。17年の9月から、無料会員に登録すると病院の電子カルテから病名・検査・処方といった情報を患者向けに開示し、スマートフォンアプリやWebブラウザで見ることができます。12月には病院で撮影されたDICOM形式の画像も院内のPACSサーバーからクラウドサービス経由で閲覧が可能となりました。もっとも、お薬手帳との連携や患者側から医療側への情報登録といったPHRの主要な機能はこれから取り組むところです。
私は08年に、「日本型PHRはCloudよりも携帯電話でP2P?」というブログ記事を書きました。ちょうど日本でもiPhoneが発売されたころに現実的なPHRの姿を思考実験したのですが、その後も長年にわたって自分の目で実際に動くPHRを見たことがありませんでした。そして、いよいよ既製のPHR製品を目にする日がやって来たかという感慨を覚えました。
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