【千葉大学医学部附属病院 副病院長・病院長企画室長・特任教授 井上貴裕】
1.2018年度改定 短期滞在手術等基本料3の扱い
2018年度診療報酬改定では、DPC対象病院の短期滞在手術等基本料3(以下「短手3」)をDPC/PDPSの包括評価の対象に戻すことになった。
DPC/PDPSでは、傷病名と手術の有無などによって診断群分類が決定され、一定の症例数があり、在院日数とコストのばらつきが大きくなく、変動係数が低いものは1日当たりの包括評価の対象となるのが原則だ。
「短手3」と1日当たり包括払いとのダブルスタンダードは分かりにくいとの指摘もあり、原則に戻る方向性はあるべき姿ともいえる。出来高算定病院には、引き続き「短手3」が適用されるが、DPC対象病院では、入院初日に多くの報酬を支払う「点数設定方式D」(以下D方式)に設定される。18年度改定に向け、わが国の急性期医療の方向性として「1入院包括払い」という方向性は明確に否定されたと捉えるべきかもしれない。今回の変更を残念とみる向きもあるだろうが、「短手3」の対象が極めて限られており、外来で実施できる白内障手術の症例などを、あえて日帰り入院にし、増収を狙う医療機関が散見される中、妥当な判断だと考えている。
今回は、「短手3」がDPC/PDPSに戻ってくることで点数設定、医療機関別係数や「重症度、医療・看護必要度」(看護必要度)にどのような影響が生じるのかを予想する。
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