【医療法人マックシール巽病院 看護部部長 江川民子】
私が今の病院に看護部長として着任してから5年が経った。看護部長としての経験がない中で着任し、前任者からの引き継ぎもないまま、看護部長とは何なのかなどの教えを受けることもなく、不安を抱えながらのスタートであった。着任当時の看護部の看護師離職率は50%を超え、看護師の採用はほぼ100%紹介会社からの経由であったために、費用も莫大となっていた。その状況を打破するために、まず行ったのが看護師の定着に向けた取り組みであった。何とか看護師が働きやすい病院にしたいという思いで走り続けた5年であった気がする。
現在は看護師の定着も良くなり、離職率は10%台に減少、自己応募の看護師を採用できるまでに改善してきている。それは、さまざまな仕掛けがあってうまくいった結果の産物であると考えている。
看護師の定着は病院経営を大きく左右する要件となっている。そのため、定着に向けた仕掛けづくりは継続していく必要があるし、そこには事務職も大きく関与していくことが欠かせないと考えている。しかし当院の事務職は、自分の組織外のことには“蚊帳の外”といった感覚があり、この問題を共に考えられていない現状があった。
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