【常滑市副市長 山田朝夫】
■看護部長が病院祭を発案「情報発信が足りなかった」
100人会議があった年の年度末、看護部長の発案で、初めての「病院祭」を開催しました。彼女は私にこう言いました。「最初、私は本当に100人会議に出るのが嫌だった。だけど、市民の皆さんの真剣な話をいろいろ聞いて、私もいろいろ話をして、自分たちには情報発信が足りなかったということがよく分かった。病院の中で医療をやっているだけでは駄目なんだ」。
当日、病院に着いてみると、職員が玄関の前で焼きそばを作り、院長が餅をついています。ロビーでは「市民は何も分かっていない」と言っていた副院長がギターを弾いて歌っている。とにかく、ものすごい人数のお客さんが、病院に「遊びに」来ていました。
健康チェックコーナーは黒山の人だかり。一番人気があったのは「模擬手術」です。看護師たちが手術着を着て、自分の娘さんを手術台の上に乗せて、その上に手術用キットを置いて、それで切ったり縫ったり。それを見学の子どもたちが真剣に見ているのです。
■市民向けに新病院の設計ワークショップ
その後、100人会議の参加者からの強い希望で、新病院の「設計ワークショップ」を開催しました。100人会議に3回以上出席した人を対象に募集したら、30人くらいが集まりました。参加者には、まず、病院建築を3回にわたって勉強してもらいました。座学に加えて、2つの先進病院の見学も行いました。3回の勉強の後に、図面を見ながらのワークショップを始めました。参加者の要望で時間を延長したり、全体で5回の予定を6回に増やしたり。設計者が市民の意見を取り入れて、図面がどんどん変わっていく。皆、自分の家を建てるように熱心でした。
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