【津田塾大学 総合政策学部准教授 伊藤由希子】
この連載では、基本編・応用編・実践編と題し、地域医療の需要と供給のギャップを埋めるための「データ」の活用術を3回にわたり紹介したい。応用編の今回は地域医療構想調整会議の資料を紐解いてみたい。
■その1 まずは各地域の「2025年医療需要推計」から
表は人口16.4万人のある都市を中心とする構想区域の現在(2015年度)の医療供給と25年の医療需要を示したものである。同様の表は、どの都道府県、どの構想区域でも推計されているので確認してほしい。表によると、25年の医療需要は約1542人/日となっており、一定の病床稼働率を仮定して推計された病床の需要は1837床である。一方、現在の報告病床数は2230床であり、このうちの約18%に相当する400床弱が7年後に過剰となる計算である。
表 2025年の医療需要に対する医療供給の状況
(残り2395字 / 全2776字)
次回配信は12月22日12:00の予定です
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】