【京都市立病院 副院長 森一樹】
京都市立病院では、水曜の朝8時30分から診療管理委員会が行われる。すべての診療科部長、各部署の責任者が集まり、その週の診療科ごとの経営指標、目標達成度、病棟ごとの「重症度、医療・看護必要度」が発表される。毎週訪れる重苦しい時間だ。2018年4月の診療報酬・介護報酬の同時改定を前に、荒波の中でどのように病院の進路を決めていくのか、不安な日々が続いている。しかし、「地域に必要とされる病院」であり続けるための努力をしない限り病院の未来はない。必要とされる病院とは、質の高い医療を提供し、常に改善を続ける病院である。今回は、当院の医療の質改善の取り組みについて地域医療連携を中心に紹介したい。
■京都市立病院の概要
京都市立病院は、京都・乙訓医療圏に属している。京都市とその周辺地域が含まれ、医療圏の人口は162万3千人(15年)である。同医療圏の医師数は人口10万人当たり466.37人(全国平均245.93人)と医療過密地域である※。
※JMAP地域医療情報システムを参照
当院の病床数は548床(結核12床を含む)、17年度の入院患者数は1万3173人で、平均在院日数は11.2日、病床稼働率は85.8%だった。運営形態は地方独立行政法人で、施設整備・維持管理、医療事務などの運営業務については、PFI(Private Finance Initiative)事業として、特別目的会社(SPC)との長期・包括契約を通じて行われている。
■医療の質改善への取り組み
医療の質とは、診療だけでなく、医療機関で行うすべての業務が関わってくる。医療の質をQuality indicatorなどの客観的指標を用いて測定することで、提供している医療を振り返り、改善していくことが可能となる。
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次回配信は12月20日5:00の予定です
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