特定機能病院の承認要件などの見直しが大詰めを迎えている。大学病院で起きた医療安全に関する重大事案を受けた措置で、厚生労働省は、省令案の策定や研修事業を通じた安全性の確保に懸命だ。今月2日に開かれた検討会の会合で、厚労省は特定機能病院の管理者を選ぶ際、外部の有識者を選考委員会に加える省令案を示した。透明性を確保することで、病院開設者の影響力を排除し、医療安全の資質や能力を備えた管理者の選任につなげたい考えだ。【新井哉】
■「安全第一」よりも「縁故」による選任を危惧
特定機能病院をめぐっては、群馬大医学部附属病院と東京女子医科大病院の承認が医療事故で取り消されたことなどを受け、厚労省は承認要件に、管理者・医療安全管理責任者の配置や、専従の医師、薬剤師、看護師を配置した医療安全管理部門の設置などを新たに盛り込み、安全管理体制の強化を図ってきた。
「医療安全管理業務の経験や、患者安全を第一に考える姿勢および指導力が含まれる」。厚労省は2日の会合で、管理者の選任方法に関する省令案を示した。家族・親族などの“一族郎党”による運営が行われている特定機能病院では、「安全第一」の姿勢よりも、「縁故」で管理者が選ばれる恐れがあるからだ。
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